私は、33歳の時、平成10年(1998年)の11月、シカゴのマーカンタイルで米国公認会計士の試験を受けて、イリノイ州公認会計士の資格を取得しました。その後、朝日監査法人にて、長銀破綻に伴う資産2000億円、現金150億円のSPC(特別目的会社、ケイマン経由)の会社運営人として専門家の道をスタートしました。
そしてKPMGマレーシアにて5年間(99年から2004年)、300社近くの日系企業に対して、多種多様な経営全般のアドバイス業務に従事(会計、税務、設立、再編、清算、その他)致しました。当時は「中国イケイケどんどん」の時代で、日系大手がマレーシアでの撤退や統廃合を進めており、大手についていってマレーシアに投資された中堅や中小、小企業も会社清算を余儀なくされ、多くの相談を頂きました。
帰国後、3年程度、駐在員育成プロジェクトを立ち上げて、北京、上海、ハノイ、ホーチミン、バンコクで遂行しました(各都市3週間程度)。KPMGグループ退職後に中国(北京3年半、上海4か月、シンセン2か月)で4年間(2009年から2013年)駐在し、そして2015年に約半年強、ハノイ、ホーチミンにて、日系企業の進出、撤退、統廃合関連の業務に従事させて頂きました。
そのような中で、強く感じたことがございます。それは、現地で入手される情報をあまりにも簡単に信用し過ぎて、結果として損な取引を日系企業はしているのではないだろうか、ということです。
具体的には:
・1億円の価値のあるものに対して、3億円近くの対価を支払う
・10億円で手打ちができる統廃合案件に対して、20億円近くのコストを支払う
・2億円で売れる資産を3000万円で譲渡してしまう
などですが、なぜこのようなことが起こるのか、このことをきちんと精査して対策を打たないと、いい技術や素晴らしいノウハウを持っている日系企業は世界で闘うことはできないのではないかということから、このサービスを立ち上げました。
私の言うことが全て正しいとは思いません。ただ、少なくともこれまでのやり方を少しばかりでも変えることにより、劇的な変化が生まれるものと思いますので、素晴らしい技術のノウハウを持つ日本企業に対して、微力ながらできる限りの貢献ができましたら幸いです。
黒川裕二郎